ビカクシダとコウモリランの違いは?呼び方・種類・育て方を解説
ビカクシダとコウモリランの違いを解説。呼び方の違い、プラティケリウムとの関係、代表的な種類、貯水葉・胞子葉の特徴、板付けや水やりなど育て方の基本を紹介します。
植物店やSNSで、
「ビカクシダ」
「コウモリラン」
「プラティケリウム」
という名前を見かけて、
「これは全部同じ植物?」
「ビカクシダとコウモリランは何が違うの?」
「種類や品種の違い?」
と迷うことがあります。
結論から言うと、ビカクシダとコウモリランは、基本的には同じ植物を指す呼び方です。
ビカクシダは和名として使われる名前で、コウモリランは流通名・通称として使われることが多い名前です。
どちらも、シダ植物の Platycerium 属を指す言葉として使われます。
ただし、園芸店やSNSでは呼び方の使われ方に少し違いがあります。
「コウモリラン」として販売されていることもあれば、愛好家の間では「ビカクシダ」「プラティケリウム」と呼ばれることもあります。
この記事では、ビカクシダとコウモリランの違い、呼び方、代表的な種類、基本の育て方を解説します。
ビカクシダの室内管理・水やり・置き場所を先に知りたい場合は、ビカクシダの育て方|室内管理・水やり・置き場所の基本も参考にしてください。
ビカクシダとコウモリランの違い
ビカクシダとコウモリランは、分類上まったく別の植物というわけではありません。
どちらも Platycerium 属の植物を指す名前として使われています。
つまり、基本的には以下のように考えて大丈夫です。
ビカクシダ = コウモリラン
違いがあるとすれば、植物そのものの違いではなく、呼び方の違いです。
- ビカクシダ:和名・園芸名として使われやすい
- コウモリラン:流通名・通称として使われやすい
- プラティケリウム:学名に近い呼び方
「ビカクシダとコウモリランは別物なのかな?」と不安になるかもしれませんが、基本的には同じ仲間を指す言葉です。
ビカクシダとは?
ビカクシダは、漢字では「麋角羊歯」と書きます。
「麋角」は鹿の角のような形を意味し、「羊歯」はシダを意味します。
ビカクシダの胞子葉は、鹿の角のように分かれて伸びるものが多く、その独特な葉の形からこの名前が使われています。
植物としては、シダ植物の仲間です。
花を咲かせて種を作る植物ではなく、胞子で増える植物です。
ビカクシダは、自然界では樹木などに着生して育つ植物として知られています。
土に根を張って育つ一般的な観葉植物とは少し違い、木の幹や枝などにくっついて育つ性質があります。
そのため、園芸では板付けにして育てられることも多いです。
板付け管理について詳しく知りたい場合は、ビカクシダの板付け管理|水やり・置き場所・乾き方の見方も参考になります。
コウモリランとは?
コウモリランは、ビカクシダの通称・流通名として使われることが多い名前です。
葉の形がコウモリの羽のように見えることから、コウモリランと呼ばれるようになったと考えられます。
ただし、名前に「ラン」と付いていますが、ラン科の植物ではありません。
コウモリランは、ランではなくシダ植物です。
園芸店やホームセンターでは、「コウモリラン」という名前の方が親しみやすく、一般向けに使われていることがあります。
一方で、専門店やSNS、愛好家の間では「ビカクシダ」や「プラティケリウム」と呼ばれることも多いです。
プラティケリウムとは?
プラティケリウムは、ビカクシダの学名 Platycerium に由来する呼び方です。
英語圏では、staghorn fern や elkhorn fern と呼ばれることがあります。
staghorn fern は、「鹿の角のようなシダ」という意味に近い呼び方です。
日本語のビカクシダも、鹿の角のような葉の形に由来しているため、イメージとしては近い名前です。
園芸店やSNSでは、種類名と一緒に、
- Platycerium bifurcatum
- Platycerium veitchii
- Platycerium ridleyi
- Platycerium willinckii
のように表記されることがあります。
「プラティケリウム」と書かれている場合は、ビカクシダの学名寄りの呼び方だと考えると分かりやすいです。
呼び方の使い分け
ビカクシダ、コウモリラン、プラティケリウムは、次のように使い分けられることが多いです。
- ビカクシダ:園芸好き・愛好家の間で使われやすい呼び方
- コウモリラン:園芸店や一般向けに使われやすい通称
- プラティケリウム:学名寄りの呼び方、種類名と一緒に使われやすい
たとえば、初心者向けの商品名では「コウモリラン」と書かれていることがあります。
一方で、専門店やSNSでは「ビカクシダ」や「Platycerium」と書かれていることがあります。
情報を調べる時は、
- ビカクシダ
- コウモリラン
- プラティケリウム
- Platycerium
- staghorn fern
など、複数の名前で検索すると情報を見つけやすくなります。
ビカクシダの特徴
ビカクシダの大きな特徴は、葉の形が2種類あることです。
多くのビカクシダには、主に以下の2つの葉があります。
- 貯水葉
- 胞子葉
この2種類の葉の違いを知っておくと、育て方や見た目の変化が分かりやすくなります。
部位の名前を詳しく知りたい場合は、ビカクシダの部位の名前を初心者向けに解説|貯水葉・胞子葉・株元とは?も参考にしてください。
貯水葉とは?
貯水葉は、株元を覆うように広がる葉です。
丸い葉、盾のような葉、株元に張り付くような葉として出ることがあります。
貯水葉は、根元を守ったり、水分や落ち葉などをためたりする役割を持つと考えられています。
育てていると、貯水葉が茶色く枯れたように見えることがあります。
初心者は「枯れたから取った方がいい?」と思うかもしれません。
しかし、貯水葉は古くなると茶色くなり、株元に残ることがあります。
それが自然な姿の一部である場合もあるため、無理に剥がさない方が良いことが多いです。
ただし、黒くぬめる、カビが広がる、腐ったようなにおいがする場合は、過湿や蒸れなど別のトラブルも疑います。
貯水葉が茶色くなった時の見分け方は、ビカクシダの貯水葉が茶色くなるのは大丈夫?原因と見分け方で詳しく解説しています。
胞子葉とは?
胞子葉は、鹿の角のように伸びる葉です。
ビカクシダらしい見た目を作る葉で、種類によって形や伸び方が違います。
長く垂れるもの、上に立ち上がるもの、細かく分岐するもの、幅広く広がるものなどがあります。
胞子葉の裏には、成長すると胞子が付くことがあります。
胞子が付いた部分は茶色く見えることがありますが、必ずしも病気ではありません。
胞子なのか、傷みなのかを見分けるには、葉の裏側の位置や広がり方、葉全体の状態を見ることが大切です。
胞子から育てる方法に興味がある場合は、ビカクシダの胞子培養とは?初心者向けに流れを解説も参考になります。
ビカクシダの代表的な種類
ビカクシダにはいくつかの種類があります。
ここでは、育てられることの多い代表的な種類を紹介します。
ビフルカツム
ビフルカツムは、ビカクシダの中でも流通量が多く、初心者にも育てやすいとされる種類です。
園芸店やホームセンターで「コウモリラン」として販売されているものは、ビフルカツム系であることも多いです。
丈夫で育てやすく、板付けや吊り下げにも向いています。
初めてビカクシダを育てる人は、まずビフルカツムから始めると管理しやすいです。
ネザーランド
ネザーランドは、ビフルカツム系の園芸品種として流通することが多いビカクシダです。
比較的丈夫で、育てやすい種類として扱われます。
ホームセンターや園芸店で見かけることもあり、初心者向けのビカクシダとして人気があります。
ヴィーチー
ヴィーチーは、白っぽい葉や立ち上がるような姿が魅力のビカクシダです。
明るい環境を好みますが、急な直射日光には注意が必要です。
乾燥に比較的強いと言われることもありますが、株の状態や環境によって水やりは調整します。
銀白色の雰囲気があり、アガベや塊根植物と一緒に無骨な棚で育てても相性が良い種類です。
ウィリンキー
ウィリンキーは、長く垂れる胞子葉が美しい種類です。
迫力のある姿になりやすく、育て込む楽しさがあります。
一方で、葉が大きく展開するため、置き場所や吊るすスペースを考えておく必要があります。
品種や個体差も多く、愛好家の間で人気があります。
リドレイ
リドレイは、貯水葉の網目状の模様や、独特な草姿が魅力の種類です。
ビカクシダの中でも人気がありますが、管理はやや繊細に感じることがあります。
蒸れや根の状態に注意しながら育てたい種類です。
初心者が最初の1株として選ぶよりは、ビカクシダの基本管理に慣れてから挑戦する方が安心です。
グランデ・スパーバム
グランデやスパーバムは、大型になりやすいビカクシダです。
貯水葉が大きく展開し、迫力のある姿になります。
育てるには、ある程度のスペースが必要です。
大型種は、板付けや吊り下げにした時の存在感が強く、インテリア性も高いですが、水やりや置き場所の管理も重要になります。
ビカクシダの育て方の基本
ビカクシダは種類によって管理の好みが違いますが、基本的には以下のポイントを意識します。
- 明るい場所で育てる
- 強すぎる直射日光は避ける
- 水切れと過湿の両方に注意する
- 風通しを確保する
- 冬は寒さに注意する
- 貯水葉を無理に剥がさない
- 板付け後の乾き方を観察する
詳しい育て方は、親記事のビカクシダの育て方|室内管理・水やり・置き場所の基本でも解説しています。
ここでは、呼び方や種類を理解するために、基本管理の要点だけ紹介します。
置き場所
ビカクシダは、明るい場所を好みます。
ただし、真夏の強い直射日光や西日は葉焼けの原因になることがあります。
室内で育てるなら、明るい窓際や、植物育成ライトを使った棚などが候補になります。
屋外で育てる場合は、明るい日陰、午前中だけ日が当たる場所、遮光した場所などが管理しやすいです。
暗すぎる場所では、成長が鈍くなったり、葉が弱々しくなったりすることがあります。
一方で、急に強い光に当てると葉焼けすることがあるため、置き場所を変える時は少しずつ慣らします。
水やり
ビカクシダの水やりは、土に植える植物とは少し感覚が違います。
鉢植え、水苔植え、板付け、吊り下げなど、仕立て方によって乾き方が変わります。
水苔や板付けで管理している場合は、乾きすぎると水切れし、湿りすぎると蒸れや腐りの原因になります。
基本は、乾き具合を見ながら水を与えます。
水やりの目安としては、以下です。
- 水苔が乾いて軽くなったら水を与える
- 板付けの場合は株元をしっかり湿らせる
- 水やり後は風通しの良い場所で乾かす
- 冬は水やり頻度を減らす
- 蒸れやすい時期は湿らせっぱなしにしない
ビカクシダは湿度を好むイメージがありますが、常にびしょびしょの状態が良いわけではありません。
湿る時間と乾く時間のメリハリが大切です。
水やりについて詳しく知りたい場合は、ビカクシダの水やり頻度は?板付け・鉢植え別に解説も参考にしてください。
風通し
ビカクシダの管理では、風通しも重要です。
風がない場所では、水やり後に株元や水苔が乾きにくくなり、蒸れやカビの原因になることがあります。
室内管理では、サーキュレーターを使って空気を動かすと管理しやすくなります。
特に板付けのビカクシダは、株元に湿気が残りやすいことがあります。
水やり後にしっかり乾く環境を作ることで、根腐れや蒸れのリスクを減らしやすくなります。
ただし、強風を直接当て続ける必要はありません。
空気がゆるく流れる程度で十分なことが多いです。
温度
ビカクシダは、寒さが苦手な種類が多いです。
冬は、気温が下がりすぎないように注意します。
屋外で育てている場合も、寒くなる前に室内へ取り込む、軒下へ移動する、簡易温室を使うなどの対策を考えます。
室内に入れる場合は、窓際の夜間冷え込みにも注意が必要です。
昼は暖かくても、夜に窓際が冷えることがあります。
冬は成長が鈍くなり、水を吸う力も落ちやすくなるため、水やりも控えめにします。
肥料
ビカクシダは、成長期に薄めの液体肥料を使うことがあります。
ただし、肥料を多く与えれば良いというものではありません。
根が弱っている時、板付け直後、冬の低温期、調子が悪い時は、肥料を控えた方が安全です。
肥料は、光・水・風・温度が整っていて、株が動いている時の補助として考えます。
板付けと鉢植えの違い
ビカクシダは、板付けで育てられることが多い植物です。
板付けにすると、壁に掛けたり、吊るしたりでき、着生植物らしい姿を楽しめます。
一方で、鉢植えでも育てることはできます。
板付けのメリット
- ビカクシダらしい姿を楽しめる
- インテリア性が高い
- 通気性を確保しやすい
- 吊るして管理できる
- 成長の姿が見えやすい
板付けの注意点
- 乾きやすい
- 水やりのタイミングを見極める必要がある
- 水苔の劣化を確認する必要がある
- 室内では水やり場所に工夫が必要
- 板付け直後は株が動くまで慎重に管理する
鉢植えのメリット
- 初心者でも管理しやすいことがある
- 水持ちを確保しやすい
- 置き場所を移動しやすい
- 小さい株を育てやすい
鉢植えの注意点
- 過湿になりやすい
- 根元が蒸れることがある
- 用土や水苔の乾き方を見る必要がある
- ビカクシダらしい姿が出にくい場合がある
板付けと鉢植えのどちらが正解というわけではありません。
自分の置き場所、水やりのしやすさ、育てたい姿に合わせて選ぶと良いです。
板付けの管理を詳しく知りたい場合は、ビカクシダの板付け管理|水やり・置き場所・乾き方の見方も参考になります。
貯水葉が茶色くなったら枯れている?
ビカクシダを育てていると、貯水葉が茶色くなることがあります。
これは、必ずしも株が枯れているサインではありません。
貯水葉は古くなると茶色くなり、株元を覆うように残ることがあります。
この茶色い貯水葉は、ビカクシダの自然な姿の一部です。
そのため、見た目が気になるからといって無理に剥がさない方が良い場合があります。
ただし、次のような場合は注意します。
- 黒くぬめる
- 嫌なにおいがする
- カビが広がる
- 株元が柔らかい
- 水やり後に腐ったように傷む
このような場合は、過湿、蒸れ、根の不調が関係している可能性があります。
詳しくは、ビカクシダの貯水葉が茶色くなるのは大丈夫?原因と見分け方で解説しています。
ビカクシダを育てる時に記録したいこと
ビカクシダは、仕立て方や置き場所によって水やりのタイミングが変わります。
そのため、育成記録を残しておくと管理しやすくなります。
記録しておきたいのは、以下です。
- 種類
- 購入日
- 仕立て方
- 板付け日
- 水苔の量
- 置き場所
- 光
- 水やり日
- 水やり方法
- 乾くまでの日数
- 風通し
- 温度
- 肥料
- 貯水葉の変化
- 胞子葉の変化
- 写真
- 不調や対処
特に、板付け後は乾き方が変わりやすいので、水やりと写真を記録しておくと便利です。
「この時期は何日で乾いたか」
「水苔を増やしたら乾きにくくなったか」
「置き場所を変えたら葉焼けしたか」
「サーキュレーターを使ったら蒸れにくくなったか」
を振り返れるようになります。
BIZARRE STOCKでビカクシダの育成記録を残す
BIZARRE STOCKでは、アガベだけでなく、ビカクシダのような植物の育成記録も残せます。
ビカクシダは、板付け、水苔、水やり、光、風、温度によって状態が変わりやすい植物です。
そのため、
- いつ板付けしたか
- 水苔が何日で乾くか
- どの場所で調子が良いか
- 貯水葉がいつ展開したか
- 胞子葉がどう伸びたか
- 冬にどのくらい水を減らしたか
を記録しておくと、育成の判断がしやすくなります。
ビカクシダもアガベと同じように、育て方に絶対的な正解がある植物ではありません。
自分の部屋、自分の棚、自分の水やり、自分の風通しに合った管理を見つけることが大切です。
BIZARRE STOCKで育成ログを残しておくと、「何をしたらどう育ったか」をあとから振り返れるようになります。
ビカクシダの悩み別ガイド
ビカクシダは、板付け・水やり・貯水葉・置き場所によって管理のポイントが変わります。詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。
- ビカクシダの育て方|室内管理・水やり・置き場所の基本
- ビカクシダの部位の名前を初心者向けに解説|貯水葉・胞子葉・株元とは?
- ビカクシダの水やり頻度は?板付け・鉢植え別に解説
- ビカクシダの板付け管理|水やり・置き場所・乾き方の見方
- ビカクシダの貯水葉が茶色くなるのは大丈夫?原因と見分け方
- ビカクシダの胞子培養とは?初心者向けに流れを解説
まとめ
ビカクシダとコウモリランは、基本的には同じ植物を指す呼び方です。
ビカクシダは和名として使われることが多く、コウモリランは流通名・通称として使われることが多い名前です。
また、プラティケリウムは学名 Platycerium に由来する呼び方です。
名前に「ラン」と付いていますが、コウモリランはラン科の植物ではなく、シダ植物です。
ビカクシダには、貯水葉と胞子葉という特徴的な葉があり、鹿の角やコウモリの羽のような独特の姿を楽しめます。
代表的な種類には、ビフルカツム、ネザーランド、ヴィーチー、ウィリンキー、リドレイ、グランデ、スパーバムなどがあります。
育て方では、明るい場所、適度な水やり、風通し、冬の寒さ対策が重要です。
板付けで育てる場合は、乾き方が変わりやすいため、水やりと風通しの管理が特に大切になります。
ビカクシダをうまく育てるには、種類や仕立て方、置き場所に合わせて管理を調整することが大切です。
写真、水やり、光、風、温度、板付け後の変化を記録しながら、自分の環境に合った育て方を見つけていきましょう。
ビカクシダの基本管理を全体的に知りたい場合は、ビカクシダの育て方|室内管理・水やり・置き場所の基本もあわせて読んでみてください。

